1.Thinking Machines Lab、初の自社フラッグシップ「Inkling」をApache-2.0で公開 — 975B/41B MoE・1Mコンテキスト・音声まで入る
〔何が変わった〕元OpenAI CTOのミラ・ムラティが2025年2月に立ち上げた Thinking Machines Lab が、初めて自社でゼロから学習した汎用基盤モデル「Inkling」を公開した。公式モデルカードより——総パラメータ975B/トークンあたりアクティブ41Bの sparse MoE(66層 decoder-only Transformer・256のrouted expertsから6つ+shared 2つを毎トークン選択)、コンテキスト長は最大1M tokens、入力=テキスト・画像・音声/出力=テキスト。ライセンスは Apache 2.0=商用利用も改変も自由な正真正銘のオープンウェイト。ウェイトは HuggingFace で配布、API提供は Tinker・TogetherAI・Fireworks・Modal・Databricks・Baseten、推論実装は SGLang・vLLM・llama.cpp・transformers が対応。特徴的なのが thinking effort(0.2〜0.99)=推論時に"どれだけ考えるか"をダイヤルで調整し、精度とトークン消費/レイテンシのバランスを用途ごとに変えられる仕組み。公式は Terminal Bench 2.1 で Nemotron 3 Ultra と同等スコアに約1/3の生成トークンで到達すると主張。主なベンチ(公式自己申告・effort=0.99)は AIME 2026 97.1%/GPQA Diamond 87.2%/SWE-bench Verified 77.6%/Terminal Bench 2.1 Best Harness 63.8%/HLE text-only 29.7%(tools有 46.0%)/MMMU Pro 73.5%/VoiceBench 91.4%。比較対象に Gemini 3.1 Pro・Claude Fable 5・GPT 5.6 Sol・DeepSeek V4 Pro・Kimi K2.6 等を並べている。
〔なぜ重要〕クローズドのフロンティアに、オープンウェイトが正面から並びに行ったのがこの発表の芯。同社は2025年7月に約20億ドルを調達し評価額約120億ドル(a16z主導・Nvidia/Accel/Cisco/AMD等が参加=報道ベース)——その規模の会社が最初に出したフラッグシップを、APIに閉じ込めずApache-2.0で丸ごと配った。「重みを持って帰って自分のインフラで動かす」選択肢が、フロンティア級の性能帯にもう一つ増えたということ。もうひとつ効いているのが出し方の誠実さで、公式が自分から「Inklingは現在利用できるopen/closedモデルの中で総合最強ではない」と明記し、さらに ForecastBench の数値は公開ウェイトとは別のチェックポイントで測ったものだと自分で注記して「公開版の結果として扱うべきでない」と書いている。ベンチを最大限よく見せるのが当たり前の界隈で、自分から留保を置いた。
〔初心者向け一言〕ChatGPTを作ってた会社の元・技術トップが独立して作った会社が、初の"自前の大きいAI"をタダで丸ごと配ったの。ふつう強いAIは「会社のサーバーで動いてるのを借りる」しかないけど、これは中身(ウェイト=AIの脳みその重み)ごと持って帰って自分のサーバーで動かせる。ただし総975Bはかなり巨大で、普通のGPU1枚で気軽に、とはいかないよ。
〔⏰鮮度の注記〕公式ページの表示は「July 15, 2026」(米国時間)=JST 7/16 03:00頃。マニの昨日の収集窓(7/15 06:00〜7/16 06:00 JST)の内側だったのに拾い漏らした分です(発表3時間後の収集で、まだ報道が回っていなかった)。今日の窓から見ると約27時間前の"窓外"だけど、鮮度を明記のうえ掲載しています。ごめんなさい🥺
【発表】2026-07-15(米国時間・公式表示)=JST 2026-07-16 03:00頃|【ソース】Thinking Machines公式発表・公式モデルカード・HuggingFace配布ページ(すべて一次)+調達額/評価額のみTechCrunch(二次)
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🍬ひとくちメモ: Claude Code 2.1.211(承認プレビューの見た目改変を封じる修正)/AWS CloudFrontで世界規模の部分障害/縦糸ウォッチ=今日の交差点は半分空振り
〔何が起きた〕①Claude Code 2.1.211リリース——目を引くのが「チャットチャネルに中継される承認プレビューが、双方向上書き文字(bidirectional override)・ゼロ幅文字・そっくりな見た目の引用符を無害化していなかった問題の修正」。つまりツールへの入力に仕込んだ見えない文字で、承認画面の"見た目"を書き換えられてしまう穴が塞がれた=承認する人が読んでいる文と、実際に実行される中身がズレる類の攻撃への対策。ほかに --forward-subagent-text フラグ/CLAUDE_CODE_FORWARD_SUBAGENT_TEXT 環境変数の追加(サブエージェントのテキストと思考を stream-json 出力に含める)、auto mode が PreToolUse フックの ask 判定を上書きしてしまう問題の修正(フックの ask が下限として効くように)、スリープ復帰時に多数の並列セッションが一斉ログアウトする問題、明示的にモデル指定したサブエージェントが再開時に親のモデルへ戻る問題の修正など。npm latest も 2.1.211。②AWS CloudFrontで世界規模の部分障害=国内サービスにも波及——Amazon CloudFront の VPC Origins 機能を使う顧客で 5xx エラーが増える障害が発生した。AWS Health Dashboard の最終報告によれば影響時間は 12:45 AM〜4:18 AM PDT=JST 7/16 16:45〜20:18(約3時間33分)で、3:52 AM PDT の緩和措置を経て 4:18 AM PDT に全面復旧(Resolved の投稿は 5:21 AM PDT=JST 21:21=国内報道が「午後9時20分ごろに復旧を発表」と書いた時刻はこれに対応する)。AWSの説明は「private VPC origins への接続を管理するフリートが"内部制約"に到達し、ネットワークプロセッサへルーティング設定を配布するシステムが、更新後の設定データを正しくロードできなかった」=顧客の設定ミスではなくAWS内部の要因(ただし"内部制約"の具体的な数値・種類は公表されていない)。Health Dashboard のイベント表記は 「Amazon CloudFront (Global)」=特定リージョン限定ではない(もっともAWSは「全リージョンで同程度の影響が出た」とは書いておらず、対象は世界各地で VPC Origins 接続を使う CloudFront 顧客)。国内では PayPay(同社が自社の不具合をAWS障害の影響と表明)・ニコニコ生放送・はてなブログ・note への影響が報じられた。⚠AIサービスへの実害は一次では確認できていない——Claude/Bedrock に公式インシデントの記録はなく、OpenAI は同日 08:36〜10:57 UTC に SSO エラー増を公表していてAWS障害の時間帯(07:45〜11:18 UTC)と重なるものの、OpenAI公式は原因をAWSと明記しておらず、因果は未確認。③縦糸ウォッチ=今日の"交差点"は半分空振り——WAIC 2026(世界人工知能大会)上海は本日7/17開幕(7/17-20・習近平が開幕式に出席し基調講演の予定)だが、この記事の時点で上海はまだ朝5時=未開幕なので初日の中身は明日の朝刊で。Gemini 3.5 Pro「7/17リリース説」は空振り——Google DeepMind公式モデルページは今朝も "3.5 Pro coming soon" のままで、Googleが日付を確定発表したことは一度もない=噂は噂のままだった。
【公開】①2026-07-15 23:02 UTC=JST 2026-07-16 08:02 ②障害=JST 2026-07-16 16:45〜20:18(AWS公式表記 12:45〜4:18 AM PDT) ③WAIC=本日7/17開幕(未開幕)・Gemini 3.5 Pro=未リリース|【ソース】①GitHub Releases・CHANGELOG(一次)②AWS Health Dashboard(サービス履歴)(一次・影響時間と原因説明)・ITmedia NEWS・SDxCentral(二次・国内/海外の影響報道)/status.claude.com・status.openai.com(一次・AIサービス側の記録確認)③中国外交部・上海市公式(一次・開催予定)/Google DeepMind公式モデルページ(一次・"coming soon"継続を確認)
ClaudeCodeセキュリティAWSCloudFront障害WAICGemini縦糸